商標の本質の価値は、その商標に宿った「業務上の信用」であり、私たちは商標を手がかりに商品やサービスを選択します。
しかし、同じ商標が付された商品やサービスが、期待とは異なる別の出所から勝手に提供されたらどうなるでしょう?
有名なレストランの看板を見てお店に入っても、出てくるのが素人料理ではガッカリですし、商標を手がかりに自動車や高級腕時計を買ってもニセモノばかりだったら……。
それでは商取引の秩序が保てません。
そこで商標を保護し、商標権者の業務上の信用と、商標を手がかりに商品・サービスを選択する需要者の利益を守ろうという法律が、商標法です。
商標法の保護を求める者は特許庁に商標登録出願を行い、審査を受けた上で、商標を登録してもらいます。
これを商標登録といいます。
商標登録を行えば、登録された商標(登録商標)について「商標権」が発生します。
商標権は、自分の登録商標を独占排他的に使用できる、非常に強い権利です。
自分の登録商標は、自分だけが独占的に使用することができます。
さらに、その独占性を担保するために、他人が自分の登録商標と同一・類似の商標を使用することに対して、差し止め請求、損害賠償請求を行えます。
すでに登録された登録商標と同一・類似の商標を他人が商標登録することもできません。
つまり、私の登録商標と同じ(同一)か、紛らわしい(類似)商標を使わないでください、勝手に登録商標と同一・類似の商標を使ったことによる損害を賠償してください、と求めることができます。
この商標法、商標権という制度があるからこそ、企業は商標を付した商品・サービスに対して、開発・製造・販売・企画・宣伝広告といった資金・労力の投資を安心して行うことができるのです。
では、商標登録すべき時期とはいつでしょう?
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